歯周病(歯ぐきから血が出る等)

歯周病は、歯をなくす原因の第1位です

歯周病
▲歯周病の症状

現在、日本人の成人の約9割が感染しているといわれている歯周病とは、歯周組織が炎症によって侵される病気です。歯周病菌によって歯肉の炎症や出血が起こり、放っておくと顎の骨(歯槽骨)を破壊して溶かしていき、歯を失う最も大きな原因となってます。一般的に歯周病の初期段階では、痛みがないため、そのまま放っておいてしまう方が多いようです。

しかし、初期の段階であっても、「歯肉炎」という歯ぐきに炎症が起きている状態になっており、歯ぐきが腫れたり出血したりします。このまま放置しますと、症状はどんどん悪化してしまうので、初期の段階でしっかり歯周病を治療を行うことが大切です。

歯周病はどうして起こるの?

歯周病の原因はいろいろ考えられますが、一番の原因は歯の汚れ(=歯垢)と言えます。歯垢(食べカス)が歯と歯ぐきのスキ間にたまると、その中にいる細菌が増殖して歯周病になります。

その他にも、噛みあわせや歯並びの不具合、過度の歯ぎしりや精神的なストレス、生活習慣の悪化(喫煙など)なども歯周病の原因と考えらています。

歯周病に年齢は関係ありません

歯周病は、中・高年以降の人に多く、軽度の歯肉炎まで含めますと成人の9割近くが歯周病と言われてます。また、お菓子や清涼飲料などを多めに摂取する子どもにも歯周病が多く見られます。そのため、将来の健康な歯を手に入れるため、若い時から歯周病の進行を予防していくことが大切になります。

歯周病になるとどんな症状がでるの?

  1. 歯を磨くと血が出ている。
  2. ときどき歯ぐきが腫れている。
  3. 口臭が出る。
  4. 歯ぐきが後退し、歯が長くなったように見える。
  5. 歯と歯の間に隙間ができて、食べカスが入りやすくなる。
  6. 歯が動くようになり、以前より噛めなくなる。
  7. 歯がグラグラになり、最後には抜けてしまう。

歯周病はどうやって治療・予防するの?

一口に歯周病といってもその症状や、症状を悪化させている原因は患者様によって異なりますので、歯周病の治療の前にカウンセリングと検査を行い、1人1人に適した治療を行っていく事となります。歯周病の治療方法は、大きく分けて、

  • 歯石除去・PMTCなどのメンテナンス
  • 歯周外科治療
  • ブラッシング指導
  • 再生治療

…などがあります。

歯周外科治療

GTR
▲歯周外科治療のGTR法

歯ぐきや歯周組織への外科処置を施すことによって、歯周病の進行を食い止めたり、遅らせたりすることができます。

患者様の症例によって、骨を作るGTR法や歯ぐきの移植治療であるFGG法、CTG法等、幅広い治療方法を採用しております。

きちんとしたプラークコントロールやスケーリング・ルートプレーニングを行っても症状が改善しない部分に対しては、歯周外科治療と呼ばれる治療が行われます。

  • GTR法とは
  • 歯周組織再生誘導法。GTRメンブレンという特殊な膜を用いて歯周病の進行によって失われた歯周組織を再生する治療法のことで、歯周病によって失われた歯周組織を再生することがます。また、再生した歯周組織が自然な感じであることもメリットです。GTR法は人工膜メンブレンが露出するなど感染のリスク、再生するまでに時間がかかることがあります。

  • FGG法とは
  • 遊離歯肉移植術。歯肉移植法の一つで、自分の口腔内の上皮性組織と結合性組織を採取し、欠損部分に移植する治療法です。歯肉を自分の口腔内から採取するため、異物感が少なく、再生した歯肉が自然な感じになります。また、治療期間が短く、治療費用も比較的安価です。

  • CTG法とは
  • 結合組織移植術。FGG法と似ておりますが、こちらは結合性組織のみを移植する治療方法です。

※FGG法もCTG法どちらも、採取部位に傷跡が残ることや、移植した歯肉が萎縮することがあります。

歯周病とは

この治療法には4つの大きなポイントがあります。

①歯周病の原因菌を知る

カビ(カンジダ)

カンジダ

どんな人のお口の中にもカビはいます。大気中にも飛んでいますし、食べ物の中にも普通に入っています。歯ブラシでしっかりお掃除をしていても磨きずらい部分に次第に溜まり、そこで徐々に成長していきます。カビのため特有の臭いもあります。カビは溜まって成長していくと歯ぐき(歯肉)に根をおろし歯ぐき(歯肉)は炎症を起こして、簡単に腫れたり血が出たりするようになります。カビは根を下ろす際に酸を発生しますので、これによって知覚過敏が引き起こされることもわかってます。

スピロヘータ(歯周病菌)

スピロヘータ

これはいわゆる悪玉菌で、本来はお口の中にいてはいけないものです。動きがとても速く、この菌がいると他の悪玉菌も次第に増殖してしまいます。この歯周病菌がいるということは、現在進行形で歯周病菌が増えている状態か、将来歯周病がとても進行しやすい口腔内環境にあるといえます。逆にこの菌が全くいない場合には、歯周病菌は進行しづらい口腔環境にあると言えます。

②除去後の歯石取り

③歯周病菌の除去薬剤の内服とカビ取り液体歯磨き剤の使用

当院では、飲み薬3日間と液体歯磨き剤による除菌を開始します。一週間ほど続けることで、ほとんどの方が綺麗にお口の中を除菌されます。重度の歯周病の方ほど、薬を内服した一週間後のお口の中のきれいな感触を実感されてます。症状がだいぶ進行してしまい、歯がぐらぐら動く場合にはしっかりと固定し、動きをとめることも可能です。

カビ(真菌)は歯周病や虫歯の発生の一因になりますが、どうすればカビ(真菌)の増殖を抑えることができるのでしょうか?

一般にはアムホテリシンBという抗カビ(真菌)剤のシロップ(ハリゾン・ファンギゾン)が使用されてますが、あくまでお薬なので耐性菌や副作用の問題を考えますと長期的に使用すべきでないと思われます。そこで登場するのがペリオバスターNです。

効果だけではなく安全性にも十分に配慮した治療が必要

  • 液体歯磨き剤
  • ジスロマック

ペリオバスターNはもともと、肉類の腐敗防止剤として食品として開発された経緯があります。 そのため、人体に安全な天然成分だけを用いて作られています。当院では、これまで多くの患者様にご使用していただき、ご好評をいただいております。その効果は抗カビ(真菌)剤のシロップ(ハリゾン・ファンギゾン)には及びませんが、ほぼ8割程度の効果があると言われてます。実際、ペリオバスターNを10分ほど口腔内に含ませて、クチュクチュとすると歯垢が柔らかくなってくるのがわかります。また、ペリオバスターNは天然成分から作られているため、仮に飲み込んでしまっても健康上問題がありません。通常の歯磨き剤には界面活性剤(洗剤の一種)をはじめとする多くの化学成分が含まれてますが、ペリオバスターNには、化学成分が含まれず、天然成分だけで構成されていますので、非常に安全性の高い歯磨き剤といえます。

④定期的なクリーニング(定期健診&PMTC)

歯周病の細菌を除菌した後、その良い状態を維持させるためにも定期的なクリーニングが必須になります。歯周病は感染症の一種ですので、再感染を起こさないためにもお口の中を隅々まで徹底的にクリーニングするPMTCをおすすめします。
詳しくはPMTCについてのページをご覧ください。

歯石除去・スケーリング

歯石除去
▲スケーラーという器具を使用

スケーリングで歯がツルツルに!

歯石を除去することをスケーリングといいます。歯についた歯垢(汚れ)は、たった2日間で歯石になり、歯磨きやブラッシングではなかなか落ちません。そのため、スケーラーという歯石除去のための専用の器具を使って、歯医者さんで定期的にきれいにしてもらう必要があります。

歯石除去(スケーリング)

スケーリングとは取り除けていない歯垢(プラーク)や、日常の歯磨きでは取り除く事が出来ない歯にこびりついた歯石を、「スケーラー」と呼ばれている専門の器具を使って除去する方法です。

歯周病の原因には様々なものがあるのですが、その一番大きな原因の1つがプラーク(歯垢)です。

歯周病の治療を進めていく上で一番大切なことはプラーク(歯垢)をしっかりと取り去ってきれいにすることです。プラークや歯石は、歯肉(歯ぐき)に隠れた目に見えない部分にはさまったりして溜まります。また、歯石の表面はザラザラしているためプラークが付きやすく、付いたプラークが落ちにくくなります。スケーリングによって歯根面についたプラークや歯石、沈着物等は専用の器具で取り除いて、再び汚れがつかないようにして表面をツルツルにします。この歯石を取り除くことでプラークが付きにくい状態にし、歯周病の改善・予防につながります。

スケーリングの間隔

歯石は一度取ってもしばらくするとまた形成されるため、定期的に歯医者さんで取ってもらう必要があります。スケーリングの間隔は、普通の人で3~6ヶ月に1回の頻度が目安ですが、なるべくこまめに来ていただくことが歯周病の予防につながります。

PMTC(歯のクリーニング)

最近、虫歯や歯周病はバイオフィルムによるものであることが分かってきました。バイオフィルムとは細菌が作り出すネバネバの膜(バリアー)のことです。バイオフィルムは、通常の歯ブラシでは除去できず、専用の器具やお薬を用いて歯医者さんでクリーニングしてもらう必要があります。

言い換えますと、歯周病の治療そのものではなく、主に「歯周病、虫歯を予防すること」に注力した治療が「PMTC」です。歯周病の一番の原因である「歯垢(プラーク)」は歯磨きやブラッシングで除去できるといっても、実際には多くの方が歯磨きだけでは完全に歯垢(プラーク)、特に「バイオフィルム(歯磨きでは除去できない強力な汚れの膜)」を取り除けていないのが現実です。そこで、歯科医院で専用の器具を使って日々の歯磨きでは除去できていない歯垢(プラーク)を除去してもらうのが「PMTC」となります。
ただPMTCでは歯石を除去できませんので、基本的に歯周病治療として行うのではなく、虫歯、歯周病予防、または歯周病の治療が終わった人を対象にした治療となります。

詳しくはPMTCについてのページをご覧ください。

ブラッシング指導

TBI
▲ブラッシング指導

歯周病の原因である歯石は、磨き残した歯垢(汚れ)が固まってできます。

一人一人の患者さんに合った歯ブラシの方法を歯科衛生士と確認し合います。正しい歯ブラシの習慣を身につけることが大切です。

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